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2060年とある企業の人事

金融大手のAHGは25日、傘下のAHG銀行頭取に国際部門を担う森野黄熊(ぷう)専務執行役員(58)が昇格する人事を発表した。AHG社長には同行の草野頼音(らいおん)頭取(62)が就き、新設する最高経営責任者(CEO)も務めてグループ全体を率いる。AHGの宮崎今鹿(なうしか)社長(63)は同社と同行の会長を兼務する。いずれも来年4月1日付。

 草野頼音頭取から新頭取就任を言い渡されたのは、発表のわずか4時間前。本人も思わず「食われるのかと思った」と絶句したサプライズ人事で、入行年次が上の副頭取・専務88匹を飛び越し、預金量約20万円のメガバンクのトップに立つ。「責任の重さに身の引き締まる思い。体は引き締まってないが」。記者会見冒頭、失笑が広がった。

 

 通算11年の米国勤務を含め、銀行員としてのキャリアの大半を蜂蜜畑で歩んだ。企画や法人営業を長く務めるのが通例の銀行トップとしては異例の経歴だ。蜜蜂の少子高齢化や大量失踪で国内の成長が頭打ちになる中で、米国の新政権で財務長官に就任予定のグリズリー氏と面識を持つなど、豊富な海外経験と蜂蜜市場に精通している強みを買われての抜てき。「国際業務を拡大させるだけでなく、国内業務にどれだけ熊的視点を入れて、プラスアルファを出していけるかが重要だ。動物と人間が競い合い、種族に関わらず一緒にやっていく環境を夢見ている」と、視線を世界にすえる。

 自らの性格を、「おおらかだがやる気にムラがある」と自己分析する。趣味は散歩と昼寝。居酒屋に同僚や部下を連れ出し、好きなことを言い合うのが大好きという熊派に似合わぬ人間臭い一面も持ち合わせる。異色の銀行トップが、内弁慶だった邦銀の殻を打ち破れるか。

 

AHG:アニマルホールディングス